過労死等についての安全配慮義務違反の責任の所在の明確化の重要性
過労死運動は、労災認定から賠償責任そして予防と歩みを進めてきた。
しかし公立学校の現場では、公務上認定されても生徒の教育のために尽くした熱血先生の美談として終わり、責任追及にまで至らない事案が多数である。
私は過労死等については責任なくして予防なしと考えている。
2019年1月25日付けの中教審答申は、我が国の学校教育の高い成果が、教師の長時間にわたる献身的な取組みの結果であるなら、持続可能であるとは言えないと述べている。
教育の持続が壊れるか、教員の心身が壊れるかの二律背反近い状況が生じ、教員志望者が減少するなかでも教員増等の抜本的な施策が進行しないのは、訴訟による賠償責任の追及が一部の公務上認定された事案についてしかなされていない点にも大きな要因がある。
公立学校の教員は給特法の対象となるが、それは給与の問題であり、心身の健康という点では民間労働者、一般の地方公務員と何ら異なることはない。
公立学校の教員の過労死等についての損害賠償による法的責任の追及は、過労死等を美談に終わらせることなく、高い教育水準が持続可能な教育現場を確保するため重要である。
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