新型コロナ感染の労災認定についての厚労省の方針
新型コロナ感染による健康障害や死亡についての労災適用にとって壁となるのは、職場での同僚らからの感染(業務上災害)、あるいは通勤途上の公共交通機関の利用者からの感染(通勤途上災害)にしても、家庭や私生活ではなく、職場や交通機関で感染したことの立証が問題になる。
新聞報道(4月24日毎日朝刊)によると、コロナ労災についての労災認定にあたっては、職場や公共交通機関での感染ルートを厳格に特定できなくても、柔軟に解釈して労災認定する方針を固めたとしている。
業務や通勤での内在危険であるコロナ感染者の存在は、無症状の者も多く、PCR検査も限定してしか実施されていないため、感染ルートの立証による業務(通勤)起因性の立証は困難を極める。
その立証を緩和し、労災として認定するのは、どこに存在するか、どこで感染したかは目にみえず、医学的にも特定できないコロナ感染のルート特定の困難さを考えると、厚労省の方針は当然と言えよう。
業務やそのための通勤をしていた時期と、感染が推定される時期との間に関連性が認められ、私生活において感染した等、業務や通勤以外により感染した等、業務や通勤以外の確たる他原因によって発症したことが明らかでない限り認定すべきである。
新聞報道では、既に中国人観光客を案内したツアー関係者や、陽性患者を看護していた看護師から労災請求が3件なされているとのことである。
医療関係者らのリスクの下での献身的な勤務に応えるためにも、広い救済が求められる。
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