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2018年12月17日 (月)

やりがい「搾取」の過労死・過労自殺(2)

前のブログで、「やりがい搾取」による「やりがい過労死」と書いた大阪の大手コープの過労死事件は、コープが、被災者の遺族に陳謝し、今後、職員の労働時間管理や健康管理に尽力することを約束させ、そのうえで相当額の解決金を支払うことで、訴訟提訴前に和解契約が本年12月10日に成立した。
この事件を担当した弁護士の一人として、「会社への」やりがいから生じる過労死が再発することのないよう、労使が取り組むことを強く求めたい。
ネットで「やりがい」を検索していたら、ウィキペディアで「やりがい搾取」という言葉が、既に、東京大学教授で教育社会学者の本田由紀氏によって名づけられていることを知った。
ウィキペディアによれば、「やりがい搾取とは、経営者が金銭による報酬の代わりに労働者に『やりがい』を強く意識させることにより、その労働力を不当に安く利用する行為をいう。やりがい搾取という造語は、2007年前後から本田が著書などで使い始めたことで広く認知されるようになった。ブラック企業とやりがい搾取は密接な関係にあるとされ、『やりがい』と『報酬』はトレードオフの関係にはならない。」としている。
10年以上も前から「やりがい搾取」に注目した本田教授に敬服する。
ただ、私は「ブラック企業」以上に「優良企業」においてこそ「やりがい搾取」と密接な関係にあると考えているが。
過労死等の事件は、いわゆる「ブラック企業」のみで生じるものではなく、社会的に評価も高い「優良企業」においても同様に生じている。否、社員が仕事を「いきがい」と感じている「優良企業」の方が、過労死等を生み出す長時間勤務が生じやすい、労使こぞっての「企業風土」がはびこりやすい要因を抱えているとさえ言えよう。
その「企業風土」に、しつこいようだが、労働時間の適正把握が懈怠されている状況が介在することにより、過労死等は生まれてくる。
「優良企業」で過労死等が生じると、「何で法令遵守に努めてきた当社で過労死が」と絶句するトップを多く見てきている。
社員がいきがいをもって働いていると自負する会社こそ、「いきがい搾取」の下での「いきがい過労死等」が生じるリスクがないか。「企業風土」「労働時間適正把握」の点検から始めてはどうだろうか。

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