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2017年9月 8日 (金)

労働時間適正把握義務についての
労働安全衛生法施行規則改正の動向

過労死等の原因は、使用者の労働時間適正把握義務の懈怠にあることは、このブログで再三述べてきた。
この点につき新聞の報道によれば、
過労死を防ぐため、厚生労働省は、労働安全衛生法(安衛法)施行規則を改正し、従業員の労働時間を適切に把握することを企業などの義務として明記する方針を固め、政府は、時間外労働の上限規制を含む「働き方改革関連法案」を秋の臨時国会に提出する予定
とのことである。(平成29年8月6日読売新聞)

従来、労働時間適正把握義務は、労働基準法108条、109条の使用者賃金台帳の調製保存義務から導かれるとされていた。

今回の改正の動きは、労基法でなく安衛法施行規則の改正によってこの義務を法定化しようとするものだ。パソコンやICカードの客観的記録により労働時間を把握することになれば、より実態に近い把握がなされることが期待できる。

一方、この改正は、裁量労働制の拡大や、高度プロフェッショナル制度の法案(残業代ゼロ法案)や、36協定の特別条項で繁忙期には過労死ラインの時間外労働を認める労基法改正案と抱き合わせで提案されるという。
「働き方改革」のなかでの労働時間法制の改正は、過労死を生み出す長時間労働を容認したり、経済界の要望と、過労死を防止するため労働時間を適正把握し長時間労働を抑制する労働側の要求とが混在したものとなっている。

労働時間適正把握については、厚労省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」(本年1月にガイドラインに改正)をもって、自己申告ではなく、パソコンやICカード等の客観的な出退勤の記録に基づき把握することを再三求めてきた。
しかし、大企業も含めて多くの会社では、パソコンやICカードで出退勤の時刻を把握し、あるいは容易に把握しうるにも拘らず、自己申告に基づいて労働時間を把握するなか過労死等が生じてきた。
この安衛法施行規則の改正について、早くも一部の労務管理の担当者から、罰則のない義務であり、これが明文化されるのは大きな問題ではないとの意見さえ述べられている。

また、過労死事件のなかには、形式上、パソコンやICカードでの労働時間把握をしていても、午後8時を過ぎると管理監督者のパソコンやパスワードで業務を続けたり、勤務シフトの「絶対性」を強調し、出・退勤、休憩時間のICカードの認識を勤務シフトどおりさせるという「裏技」をやっている会社さえある。

法改正に基づきパソコン、タイムカードで労働時間を把握する体制をつくるとともに、職場の労使、労基署による適正な労働時間の把握についての日常的な監視なくしては、その体制は画餅となってしまうことに留意すべきだ。

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