過労死防止啓発授業(大阪府立三国丘高校)の
講師として参加して
今日1月21日(土)は過労死等防止全国センターと過労死防止学会の会合があるため、新幹線で東京に向かっている。関ヶ原は白銀一色、陽が田畑に積もった雪に反射して快くまぶしい。
きのうは堺の三国丘高校で、過労死防止の啓発授業。放課後の自由参加、加えて大学受験の最中という時期のせいか、当初参加生徒は1名とのメール連絡もあった。心配して教室の教壇の椅子に座って待っていると、次々と生徒が入室し、29名が参加する。
この高校は、校長先生の名刺にはSGH(スーパーグローバルハイスクール)と表示されており、地域の名門校だ。
一人一人の生徒を見渡しながら、私が担当した「優良企業」の過労死、過労自殺の事例と、その悲劇が生じた原因について話した。
私の高校時代の進路志望の1つに高校教師という選択肢もあったので、生徒相手の話には力が入り、生徒たちも、私の勝手な思い込みかもしれないが、熱心に聞いてくれている。
50分の話のあと、生徒の質問は、
・過労死等は日本に特有な問題なのか。他の国では同じような問題が起きていないのか。
・労働時間の適正な把握がされていないことが過労死等の原因ならば、それに対する国の対策はどうなっているのか。
など、的確な質問が寄せられた。
この生徒たちの殆どは大学に進学したのち「優良企業」に就職し、それまで育ってきた「友情」「連帯」「思いやり」の世界が稀薄な場での経験をするなか苦悩することになるのだろう。
先生方から聞いた話では、そんな場では私は弱いから耐えられないとの生徒の感想もあったという。
つたない私の話が、生徒たちが就職した後に出会う矛盾や苦悩を乗り越える力になれば幸いとの思いで、氷雨のやんだ学校を後にした。
なお、厚生労働省は、2年前の過労死等防止対策推進法の施行をうけて、過労死等防止のため中・高・大学等での啓発授業を国の予算で実施している。
啓発授業実施の希望があれば連絡(連絡先はこのブログの“
プロフィール”に掲載)下さい。
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