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2016年10月24日 (月)

過労死等の労災認定に多くの遺族が踏み切れない理由

かつて、脳・心臓疾患の過労死の労災認定は狭き門だった。あるご遺族は「ラクダが針の穴を通る」より難しいのですね、と嘆いていた。

私が過労死の労災認定事件に取り組むようになったのは35年前、当時の厚労省の認定基準は、発症前の「異常な出来事」(災害に匹敵する出来事)がない限り業務上とされず、過労死という言葉はない時代で、認定率は請求件数のうち3~5%という状況だった。

これに対し現在は、過労死も精神障害・自殺も30%を超える認定率となっている。
未だ救済されない事案が余りに多いものの、認定率は、被災者・遺族が訴訟を通して判例を積み重ねるなか、認定基準を改正させることにより、前進してきている。

にも拘らず、前のブログ(過労死・過労自殺の実際の件数を考える)で述べたように、なぜ、多くの被災者・遺族は労災認定をためらっているのだろうか。その原因を考えてみよう。

1つは、過労死した被災者の過重な労働時間や労働内容が、職場のなかではあたりまえの労働時間になっており、会社は勿論、同僚も、更には家族も、過労死・過労自殺との認識に至らないことが挙げられよう。外からみれば非常識な労働時間が、会社では常識の労働時間となっていることだ。

2つは、周囲の人たちが「善意」で労災認定手続を思いとどまらせることである。大切な人を失い、悲嘆のどん底にいる遺族に対し、家族・親戚も含めて、周囲の人たちが、労災認定という困難な手続をとることを「善意」で引き止めることもある。

3つは、労災認定されたときの補償額についての理解がないことである。
「過労死・過労自殺で業務上と認定(労災認定)されたときの補償額は」のブログで述べたように、労災認定されれば、厚生・基礎年金の遺族年金とあわせて労災の遺族補償年金が支給され、その額は、一家の大黒柱が亡くなる前とさして遜色のない額となる。

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