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2016年10月24日 (月)

現実化してきた、過労死等を助長する副業解禁論

報道によると、
「政府は、会社員が副業・兼業をしやすくするための指針づくりに乗り出す。会社勤めを続けながら、勤め先に縛られない自由な発想で新しい事業を起こしたい人を支援し、経済の活性化につなげるのが狙い。24日に開く『働き方改革実現会議』の会合で、副業・兼業の環境整備を進める方針を打ち出す予定だ。」
として、社員の副業・兼業の解禁に向けてのガイドラインを政府が策定し、企業の「意識改革」を促す動向が伝えられている。(平成28年10月23日朝日)

副業・兼業の解禁は、政府の「働かせ方改革」の一環として打ち出されたものと考えられる。
解禁の目的として、「欧米の企業では、兼業を認められた社員が起こした新規事業が大きく成長するケースが目立つ。失敗しても、兼業なら職を失うこともない。」として、社員の社外チャレンジを図ることが挙げられている。

労働者の副業・兼業は、既に非正規雇用の若者の労働現場を中心に、低賃金の下で広く生じている。
その結果、複数の労働現場をあわせた長時間労働が生じている弊害は、「過労死から考える『副業解禁』論」のブログで述べたとおりだ。

正社員について副業解禁をすることは、正社員についても雇用の安定性を失わせるとともに、「チャレンジワーク」(=副業)による収入や、チャレンジの機会の可能性(それが、どれだけの正社員にとって現実的な意味を持つのか疑問であるが)の代償としての賃下げを招くことは想像するに難くない。

副業解禁論は、非正規雇用の労働者の生活のための兼業による長時間労働を助長・固定化するとともに、正社員には雇用からのスピンアウトのリスクと、複数の会社でのあわせた長時間労働を招くことは必至である。

個別の会社でも労働時間が適正に把握されない下で、過労死・過労自殺が生じている。(ブログ「過労死等の予防は適正な労働時間の把握なくしてはあり得ない」参照)
実態を踏まえるなら、兼業の下で、複数の会社での労働時間が適正に把握され、かつ心身の健康を損ねることのない労働時間管理がなされるとは到底期待しがたい。過労死等を助長する制度である。

副業解禁論の動向は、労働者のみならず、会社にとっても、安定した雇用、そして経営をつき崩すおそれのあるものとして警戒感を持つ必要がある。

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