心筋炎・心筋症と過労死の労災認定
心筋症や心筋炎等、先天性の心疾患を持病として持ちながら、過重な長時間労働に従事するなか、死亡したり、重い後遺障害を残した方についての労災認定や損害賠償の相談も少なくありません。
心筋症等の先天性心疾患と業務との相当因果関係については、認定基準は、「旧認定基準では、『先天性心疾患等(高血圧性心疾患、心筋症、心筋炎等を含む。)を有していても、その病態が安定しており、直ちに重篤な状態に至るとは考えられない場合であって、業務による明らかな過重負荷によって急激に著しく重篤な状態に至ったと認められる場合には、業務と発症との関連が認められる。』として取り扱ってきたところである。認定基準では、先天性心疾患等に関する考え方は明記されていないが、旧認定基準における取扱いを変更するものではない。」としています。
ですから、心筋症等の先天性心疾患等を被災者が有していたとしても、「その病態が安定しており、直ちに重篤な状態に至るとは考えられない場合」は、認定基準の定める業務による過重負荷(発症前1ヵ月間におおむね100時間、又は発症前2ヵ月間ないし6ヵ月間にわたって、1ヵ月当たりおおむね80時間の時間外労働)が認められる場合は、業務が相対的に有力な原因となって発症したものとして業務上と判断されることになります。
心筋症や心筋炎の持病があると、長時間労働があっても持病のせいと考えがちですが、それまでの長時間労働でも支障なく勤務していたのであれば、「病態が安定しており、直ちに重篤な状態に至るとは考えられない場合」です。
労災認定や会社の責任の追及に取り組んで下さい。
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