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2015年3月24日 (火)

JR西日本社員の過労自殺につき損害賠償責任を認める判決について―平成27年3月20日大阪地裁判決

28才の社員が常軌を逸した長時間労働に従事するなか自殺に至った事件につき、大阪地裁は、JR西日本に全面的な責任を認める判決を下した。原告の代理人としてこの事件に関与した者としての意見を述べよう。

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自殺に至る前の社員の自己申告による労働時間と、パソコン等客観的な資料等に基づき訴訟において会社も認めた労働時間は、つぎのように大きく食い違っていた。
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社員の労働時間を適正に把握する体制を構築したうえで、社員の健康を損ねることのないよう労働時間管理をすることは、使用者としての当然の責務だ。
判決は、JR西日本においては「労働時間把握体制の徹底を怠り、そのためA(被災者)の労働時間が正確に把握されず、その結果、Aの時間外労働が適正な範囲を大きく超えていたにもかかわらず、何らの措置も講じられなかったと認められる」として、その責任を認めている。
過労死・過労自殺の背景には、必ずと言って良いほど労働時間の適正な把握がなされていない実態があり、それが社員の労働時間管理という社内の最も重要なコンプライアンス(法令遵守)を機能しないものにしている。
仮に、社内でいかに労基法の遵守や、三六協定に従った時間外労働を徹底しようとも、労働時間の適正な把握なしには、労基法も三六協定も画餅にすぎない。
JR西日本のこの事件は、社内体制としての労働時間把握体制の欠如が、過労死や過労自殺を生じさせる重要な原因であり、その是正が過労死等の防止のための基本条件であることを示している。

 

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