「和民」の過労自殺を考える
居酒屋「和民」を経営するワタミフードサービスの調理担当女性社員(26才)が自殺したことについて、神奈川労災補償保険審査官は、自殺は業務による心理的負荷が原因として労災と認める決定を下しています。
平成20年4月に入社した以降の2ヵ月間の時間外労働は計227時間で、深夜の長時間労働が継続していたとのことです。
この報道を聞いて、2年前にNHKの「カンテツの女」の番組で、「和民」立花店の女性店長が、午後2時に出勤し翌朝7時退勤という19時間の長時間労働に従事している姿を肯定的に描いている番組のことを思い出しました。
私はこの番組を、私が担当していた鹿児島の鹿屋市にあるファミリーレストランの店長が、過労疾病で重い後遺障害を生じた事件の鹿児島地裁での2億円近い損害賠償を認めた判決を得た当日の夜に見ました。
カンテツ(完全徹夜)で長時間労働の仕事をする女性の働く姿を描いたシリーズの1つでした。
同じ店長が過労で倒れた事件の判決の当夜の番組だっただけに、このような長時間労働を女性の働き方として無批判にとりあげる番組の姿勢に疑問というより怒りを感じ、NHKに、全国過労死を考える家族の会と過労死弁護団全国連絡会議の連名で、つぎのような申入書を送付しました。それに対するNHKの回答とともに掲載しました。
「和民」の長時間労働は、時間外・休日労働の限度時間を定めた労使協定である36協定(労基法36条の協定)にもみることができます。この点は後日に。
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